藝術家簡介
杉原信幸、環境芸術家、1980年に日本長野大町市で生まれ、東京芸術大学油絵修士学位。2010年より毎年夏に開催される長野県大町市主催の「信濃の国原始感覚美術祭」でアートディレクターを務めてきました。それ以外の時間は、世界の各地で駐在創作と文化研究を行っており、近三年では台湾の原住民文化に強く魅せられ、一年の半分以上を台湾で創作計画を行っております。作品は自然環境と原初文化がリンクされており、自然素材(貝殻、石、木、土、草、縄、網、布等)を好んで使い、神秘的な原始の力を持つ舟型や、円形の空間アートを創作し、古代文明遺跡の様相を思わせます。
中村綾花、自然繊維を用いた創作が得意で、杉原信幸さんの創作と生活のパートナーであり、二人は常にお互いのそばにいて、世界各地で駐在創作を行っています。旅行しているとき、中村さんはいつもミシンを持ち歩き、様々な帽子を作っています。いろいろな果物の造形や、体の曲線を思い浮かべながら帽子を作り、時には古着を改造したり、新しい洋服を作ったりもします。
作品簡介
波浪方舟-潮間交織
素材:珊瑚石、岩石、黒糖、糯米粉、砂、石灰、海藻粉、牡蠣殻
サイズ:6m(L) x 1.5m(W) x 2.5m(H)
創作について:
日本からやってきた二名の芸術家は、台湾原住民が山と海の間で育んできた文化に強く魅せられました。台湾伝統の三合土の素材と技法を使い、東海岸の珊瑚石、都蘭山の中にある岩石を船の形に組み合わせてできた作品は、昼夜問わず加路蘭(kararuan)に打ちつける白い波を表現しています。また、阿美族語で言うkararuanは髪の毛を洗う場所という意味です。作品の造形は蘭嶼達悟族の伝統的な舟からインスピレーションを得ており、奇怪な形をした波は、東海岸阿美族の豊富な海洋文化を象徴しています。ここの手工芸、楽舞、猟漁採集生活は、神話と深く関わりあっています。作品は同時に、海洋と島嶼の間で歌う台湾方舟をも象徴しています。