
太平洋が風に乗り海岸線に沿って自然と生まれた波のような歌、阿美族文化主体の要素を載せて、1999年に「Amis旮亙樂團」を結成した。団長のSawtoy Saytayが部落を訪ね、文献を研究し、口述でしか語られてこなかった失われた楽譜をパズルのように組み合わせ、阿美族伝統の記憶にある文化の物語を「打ち鳴ら」してきた。旮亙 Kakeng(竹の鐘)は阿美族伝統の結婚式にて、女性が婿入りの朗報を伝えるために使っていた楽器である。「Amis旮亙樂團」といった命名には、朗報と遺伝子の中に刻まれた歓喜をシェアする心を伝え、風の歌を伝承する思いが込められている。
部落で年配の方は仕事や生活の合間に歌を歌い、若者は知らず知らずのうちにその旋律を身につけていく。「Amis旮亙樂團」はそんな伝統的歌謡と若者打楽器バンドとして、伝統と革新の間に独特な表現方法を見出し、百人近い部落の若者に対して文化的な育成もしてきた。現在、メンバーは第四代目にまで継承され、計50名ほどいる。己の文化に対する再認識と育成の中で、「朗報を伝える」、「シェア」の文化を再現していく。
「Amis旮亙樂團」は結成していらい、伝統歌謡と打楽器の間で発展してきて、今ではとてもユニークな打楽器バンドになっている。2012年に発表したオリジナルアルバム《Ina的童年》は金曲奨最優秀原住民語アルバムにノミネートされ、その他にも様々な高評価を受けた。2013年全国ドラム王リーグでは、世界ドラムバンドグループで優勝を果たした。国内で豊富な出演経験を持っているだけではなく、世界各国でも出演しており、アメリカ、ヨーロッパ、太平洋、東アジア、東南アジア、南東諸島等の国々で活躍してきた。阿美族伝統の「朗報を伝える」旋律が各地で奏でられ、台湾の多元的文化音楽の美しさが、各地で鑑賞され、共鳴を引き起こした。
2022月光.海音樂會演出團隊
